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Wim Mertens Duo @ Palau de la Musica


3月5日(水)夜。平日なのに満席。


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10年ぶりに、ベルギーの作曲家/演奏家
Wim Mertensの公演にいってきました。

20年以上毎日のようにきいてるので、彼の音楽はなんだか
自分の一部のようになってます。
会場は一見静かだけれど、私に負けない熱いファンの
老若男女でいっぱい。若い人たちが多かったのが意外でした。

写真は開演前。世界遺産なのでほんとは写真撮影禁止。
こっそり携帯でとったので、
白っぽいですが、実際はもっと黄色くてカラフルです。



一番安い約20ユーロのチケットだったので、
ほとんど天井に触れそうなほど(大げさですね、笑)
上の席でしたが、舞台もよく見えて音もよかったです。

演奏者の表情をみるにはオペラグラスが必要ですが、
客席や会場全体の一体感がわかるので、安い席もいいですね。
もちろん、ホールのつくりによるけれど。

エレクトロニカの電子音や、今ではコンピューターが
使われないライブはめずらしいという状況で、
生ピアノとバイオリンだけで、
あれだけ斬新な世界を表現できるのは、
素晴らしいだけじゃなく、かえって新しいような。

時代は、アコースティックなものをまた求めている気がします。
なーんて、10年前に同じ会場で見たときより、観客の盛り上がりが
すごかったので、ふとそんな気持ちになりました。

20年以上前、おそらく新宿厚生年金で、
彼の昔のグループ Soft Verdictの演奏を見て以来、
ずっと毎日のように彼の音楽を何かしら聴いて生活しているので、
今では生活の一部どころか、
自分を構成する要素の1つになったような気がします。
子供のころから好きだった音楽、映画、本はみんなそんなもの
かもしれませんが。
いずれにしても、毎日、繰り返し聴きたい音楽に出会えて幸せです。


10年ぶりのMertens氏(団塊の世代)もずいぶん老けたものの、
元気一杯! 
1曲ごとに立ち上がって舞台の前まで出て
お辞儀したり、3度もアンコールに応えて、ピアノは弾き倒す勢い。
歌(といっても歌詞はなくてハミングのようなもの)
も歌いまくりでした。

彼の声は、昔ボーイソプラノだったのかなという
高い声なので、最初はビックリするんですが、
慣れると声も楽器みたいで、奥行きが感じられます。
パートナーの若い女性バイオリニストの演奏も
艶のあるすばらしい音でした。

うちにある、年期の入ったCDはこんなかんじ。

Wim Mertens  Duo @ Palau de la Musica_a0059032_1758455.jpg



帰ってチェックしたら、
You Tubeに、昔の驚きの映像が!
まだ聴かれたことのない方はぜひ一度どうぞ。
20年以上前のものですね。
UPしてくれた人に興味津々(日本人ですよ)


Wim Mertens「 Close Cover」(You Tube)


レアモノ・プロモーション・ビデオ

Soft Verdict(You Tube)



う〜ん、Mertens氏、若いけど渋い!
ベルギーのチョコレートや、プリュッセルの街はどうも
ピンとこなかったんですが、彼らはすごい。
嫌がおうにも、中央ヨーロッパの底力のようなものを
感じてしまいます。

欧州に長年暮らしていると、たまに欧州圏外からの我々じゃ
たちうちできないと思ったり、
拒絶されそうに感じるぐらい、すごすぎる欧州文化も
目の当たりにすることも多々あるんですが、彼らの音楽の場合、
やっぱりヨーロッパっていいなあ!すごいなあ!
と単純に憧れた気持ちがよみがえってきます。


この曲が、ピーター・グリーナウェイの「建築家の腹」
という、なかなかマニアック(グロテクスク?)
な映画に使われたり、
Mertens氏の作品はいろんな映画にも使われているので、
聴いたことがある方も多いはず。

いわゆるミニマル音楽というジャンルでくくられるのが残念なほど、
聴いていると独自のイメージや空間が立ち上がってくるような。




この日は、真冬が戻ってきたような氷点下?という
寒い晩でしたが、(強い風が冷たかった)
うちから徒歩20分の音楽堂まで、
途中で暖かいハーブティーを
飲んで休みつつ、散歩がてらにテクテク往復。
心がしみじき温かくなる外出になりました。

帰りがけに入った、旧リッツホテル(現パレス)の並びのBarでは、
有名人の生写真が飾ってあり、フェラン・アドリアという
シェフや、コメディアンのガビーノ・ディエゴの額のとなりに、
ハビエル・バルデムのご来店記念写真が。
有名人はなかなか気が抜けなくて大変ですね。





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by nas-asa | 2008-03-06 18:49 | 映画・音楽

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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