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Passion



スペイン人のある情熱

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(上の写真は、雪が振る直前、El Brullに集合するライダーたち。
本文の内容とは関係ありません)

海外のメディアでは、いまだにスペインといえば
「情熱の」という言葉が必ずつき、そのあとに、
フラメンコ、闘牛で、最近ちょっとサッカー
という形容詞が追加されてますが、
実際に暮らしてみると
地方によって、人々の気質やノリは千差万別。
ほんとのところ、ラテン的情熱とは程遠い場合がほとんど。

バルセロナやカタルーニャの人たちは、他のスペイン人から
暗いと形容されることが多く、ライブの会場や映画館は
平均的なアメリカの10分の1の盛り上がり、
日本人よりもしかしてシャイ?
という地味〜な雰囲気なことが多い。
(もちろんライブのジャンルによります。
夜通し遊ぶなどの持続的な体力はある。笑)

それでも、南スペインはもう少し感情表現も豊かな風土で、
ホットな場合が多く、観光客が期待する
情熱的な民族舞踊やお祭り行事が一番垣間みれる地方です。

で、そんな南のアンダルシア出身の元首相、フェリペ・ゴンサレス
のパッションといえば・・・踊りよりも・・・



盆栽!

欧州でも盆栽はなかなか盛んで、
前からゴンサレス首相が盆栽好きというのは有名だったんですが、
(首相当時も、おしのびで盆栽観光にきていた
彼を京都のホテルでみかけた友人あり)
この写真(たぶん自宅)を見ると、かなり本格派ですね。

これは、スペインの全国紙 EL PAISの日曜版付録
週刊誌に掲載されていたもの。
ちょうど今月は総選挙があったので、フランコ独裁から
現在までの推移について、民主化以降の「歴代首相特集」でした。

A4サイズの見開き2ページがど〜んと使われています。

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別々にスキャナーしたので離れてますが本当は1つの写真。


スペインにいるので、盆栽を植える鉢も限られたものしか
購入できないのはずなので、
ちょっと安っぽいかな?という柄の瀬戸物も
ありますが、いずれにしてもすごいコレクションです。

彼はちなにみ、PSOEという社会労働党のリーダーで、
中道左派。もちろん任期中には色々ありましたが、
スペインの民主化に非常に貢献した骨太の政治家です。

欧州には、こういう盆栽おたくというだけじゃなく、
日本が基本的に好きな西洋人が、少数派ながら確実に存在するので、
そういう人たちをわたしたち日本人は、
もっと大事にしたほうがいいんでは?という気がします。

残念ながら、中国オーストラリアだけじゃなく、
欧州でも、よく知りもしないで、第二次世界大戦の記憶からさかのぼって、
日本が嫌いな人って意外と多いんですよね。
(特にイギリスの場合、現ロンドン市長ケン・リビングストーンや
エリザベス女王の夫、エジンバラ公などの権力者にもたくさん。
日英同盟や日本の近代化のころからの恩も忘れて、と真面目に
思っている人多数)




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上は、そのEL PAIS SEMANAL「歴代首相特集号」の表紙。


初めての民主主義政権の首相となった、アドルフォ・スアレス氏の
キャンペーンポスターを掲げて歩く人と、1977年の街の様子。
(彼は歴史上の人物となりましたが、現在はアルツハイマーで
自分がスペインの民主化に超人的に貢献したことはもちろん、
首相であったことも、家族のことも覚えていないそうです。
残酷ですね)


・・・と、脱線しましたが、スペイン人の情熱も多彩、というお話でした。
スペインの政治家は、意外と個性的で面白い人が多いです。
by nas-asa | 2008-03-28 19:17 | 生活

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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