Follow Me 1972

ミア・ファローが適役!


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映画は、できれば映画館で大きなスクリーンで観るのが理想ですが、
インターネットでも、まだDVD化されてない古い名作と出会えるのは嬉しい。


この作品は、原題が「Public Eye」

「第三の男」などで、有名なキャロル・リード監督
(Sir Carol Reed, 1906年12月30日 - 1976年4月25日)
の遺作。とはいえ、とても洗練された珠玉のコメディーです。






カリフォルニア出身の、ややヒッピーな(70年代のね・・・)
のアメリカ人女性(ミア・ファロー)が、
ロンドンで、教養はあるけれど堅物な会計士(保守的な階級)
のイギリス人男性と知り合って結婚。
でも、しだいに家にいて妻らしくふるまってほしいご主人と、
自由を愛する奥さんの間にわだかまりができ、
ついに、1日中外出している奥さんのことを疑い、
探偵を尾行させる・・・という内容。

日本でも、昔、松田優作主演で「探偵物語」というのがありましたが、
こちらがネタもとになってるようです。


ミア・ファローというと、どうしても「ローズマリーの赤ちゃん」
を思い出して、つい、怖い展開になるのか?と思ってしまいましたが、
全然、違う!

彼女の、どこかおどおどして気が弱そうな雰囲気が、
気取った英国社会に馴染めなくて苦しむという役にピッタリ。
(でも、流行のダンスは得意!)

そして、イスラエル出身の俳優トポルさんが可笑しい!
探偵のくせに、白い帽子、白いジャケット、白い靴、白い鞄と
全身真っ白で、白いベスパに乗ってるので、目立つ目立つ。

バックのなかとコートのポケットには、マカロンをはじめ
オレンジやバナナなどがたくさん。

「探偵の食事は不規則になりますから」

といって、依頼主の事務所でも、
おかまいなしにマカロンを食べ始めたり。



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最初はミア・ファローを尾行していたのが、彼女に気づかれてから
つかずはなれずな距離をたもちつつ、探偵が見せたい場所に誘導したり、
ホラーばかり観るミアに、ロマンチックな映画を勧めたり。
(でも、会話はせず、全部ジェスチャーで)


そう、この映画の本当の主役はロンドンの街?というぐらい、
ハンプトンコート、テームズ川、キューガーデン等の郊外をはじめ、
ロンドン市内の名所(動物園、公園)が次々と登場。

観てるだけで、一緒に観光できてしまいます。

ミア・ファローが、ハイドパークのピーターパン像を見上げるシーンも
彼女のボーイッシュで夢見がちな空気とマッチしていてステキでした。

食べ物にちなんだ通りを探偵が歩きながら、パントマイムで
ソルト通りなら、塩をふってみせたりするところも良かったなあ。

単純なようで、脚本も良くできていて、ただ街を見せるといっても
最後に夫婦はどうなるんだろう? 探偵と彼女は?
という、ワクワクする展開があります。


同作品、英国以外の世界中では、
「Follow Me」というタイトルで公開されたようですが、
Public Eyeのほうが、奥さんが個人的な存在になるのか、
一人の個人として、旦那さんと対等に公的な自由を得られるのか?
世間体とは?・・・などのテーマが感じられて、より深いような?


72年制作ということは、すでに40年以上たってるのだけれど、
ロンドンの街の雰囲気って、人々の服装以外あんまり変わっていなくて、
なにより、ロンドン出身の監督が、
この街を愛している気持ちが、じわじわ伝わってきます。


こういう地元の人が

「自分の街の魅力を、世界中に色んな形で伝えたい!」

と思う都市は、やっぱり魅力的ですね。

実際の住み心地は別として、今のところ、パリ、NY ロンドン、ローマあたりは
本当に多彩な映画作品になっているような。

東京やバルセロナもいろんな作品が撮影されていますが、
まだ上記の都市には、到底かなわない気がします。


映画と現実は違っても、
フォトジェニックで、クリエイターの食指を動かす街って、
よそ者でも、もっと深く知りたい気持ちになります。


そろそろ、ロンドン懐かしいなあ!
(4年住んでいたので、相当、色んなところは歩いたほうですが、
独特の誇りっぽい匂いや、古い地下鉄のせまさ、街路樹の枝を切り倒しながら
進む二階建てバスなども・・・笑)

今度行くときのためにも、またゆっくりこの映画を鑑賞したいです。
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by nas-asa | 2014-06-27 16:59 | 映画・音楽 | Trackback | Comments(0)

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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