Montjuic
2014年 09月 20日
ミロ美術館はいいなあ!
8月の末の日曜日。
久々に自分たちだけのためにミロ美術館へ。
屋外彫刻の向こうには、バルセロナの街並がひろがり、
その奥には、ティビダボの丘が。
今住んでいる家(集合住宅)は、その丘のふもとなので、
手を延ばせば届きそうなほど、近くに見えました。
ミロ美術館では、「De Miro a Barcelona」つまり、
ミロがバルセロナに残したもの・・・という展覧会が開催中で、
それだけが目的といったら、入場料はタダでした。
ミロは、空港の壁画だったり、ランブラス通りのタイルのペーブメント、
彫刻など、大きな作品をたくさんバルセロナに残しています。
ミロ美術館そのものも、今では街の人たちにとって重要なカルチャーセンター。
(彼の作品だけでなく、海外の有名現代美術家、あと若手の育成にも
大きく貢献しているかもしれません)
同展では、晩年はマヨルカ島にいることが多かったミロと
ボストンにいた建築家のセルトが、ミロ美術館をつくるまでに交わした手紙の他、
ランブラスのお役所の人たち、バルセロナ市長たちと交わした公式文書など
多数のドキュメント、写真、ミロ本人が出て来るインタビュー動画があり、
見所満載でした。地味だけれど、いい展示です。
ちなみに、フランコ時代でも、彼らは皆カタラン語で手紙を書いていました。
反骨のスピリットがすごいです。
市長からの空港の壁画の除幕式に、スペインの運輸大臣も列席の予定なのですが、
いかでしょう?という招待状の返事に対してミロは、
(本心はフランコ政権の大臣が参加するセレモニーには行きたくないとはかかず)
「マヨルカから行くと疲れたり、今、他の作品制作で忙しいから
今回は辞退させていただきます・・」と、
カタランとスペイン語のバイリンガルで返事をしたためていました。
その展覧会のあった部屋を出てすぐ、常設展示のある部屋の片隅では、
「ミロの星座」という、バルセロナのポンペウファブラ大学の映像学科の学生達と、
ミロ財団が制作した、彼にまつわる各界の人たちへのインタビューをまとめた
ドキュメンタリー映像がが流れていました。
自然科学者、宇宙学者、歴史家、若いアーティスト、ミロと実際に恊働したことがある陶芸家、
フェラン・アドリア(有名シェフ)、パスカル・マラガイという元バルセロナ市長で、
その後、カタルーニャ州大統領にもなった政治家(ジョアン・マラガイというガウディの時代の
有名作家&詩人の孫)などが登場していました。
あ、ミュージシャンに世界的に有名なピエロ、マジシャン、タラゴナの農家の人もいたかな。
特に、パスカル・マラガイさんの
「ミロはあまり信仰に厚くはなかったけれど、そのかわりに豊かな想像力をもっていた。
そして、彼はバルセロナ、あるいはカタルーニャそのものである」
というコメントが、とても印象的でした。
年配のピエロの男性が、
「ミロ美術館で、ミロの90才の誕生日をやったとき、
僕は馬にのって駆けつけ、色々なパフォーマンスをしたんだ。
ミロとの全部の思い出が、頭のなかの宝箱に入っていてとても大切な思い出ばかり。
そして、今も僕はミロと友達なんだよ!」
と話している姿に、思わずウルっときてしまいました。
どの人も、皆、ミロへの気持ちが熱かった!
さっすが地元なドキュメンタリーでした。
ひとりひとり、面白い場所で撮影していたし、
貴重な映像も満載であきない構成。
ミロのセラミックの彫刻も好きですが、メタル系もいいですね。
カラフルなのだけでなく、黒っぽいモノトーンのも。
簡単そうにみえて、絵画も立体もきちんと魂がこもっています。
★
ミロ美術館を後にして、久々にモンジュイクの丘のてっぺんにある
中世のお城にいきました。
中世には要塞だったり、18世紀にはブルボン軍、その後、1939年頃には
フランコがこの丘から市内に大砲を打ちまくったり、
色々悲しい歴史のある場所ですが、今は海と市街の眺めがよく、
観光客であふれていました。
車じゃなくても、ミロ美術館のそばからローブウエイで
モンジュイクの丘の頂上までつながっています。
このローブウェイはわりと新しくて、眺めがいいみたいです。
(古い20世紀初頭の海側のしかのったことがないです)
丘の中腹には、フランス人かな?という雰囲気の
黒人の若者達と、おしゃれなマダムが働く、
海の家風売店があり、しぶいブルースが流れていました♪
緑が多くて閑散としているので、
たま〜にひったくりや偽警官が出たり、慣れてないとあぶないんでは?
という印象が強いモンジュイクですが、なかなかいいところです。
観光客の皆様も、バルセロナに滞在されるとき、
ガウディづくしで疲れたら、ぜひ、ミロ美術館へどうぞ!!
圧倒的に、私のまわりの地元の人たちは、ミロが好きなので。
色々、ガウディ、ジュジョール、ロマネスク、ピカソ、ダリ、など
日本の媒体向けに特集の仕事をしてきましたが、なんでだかわかりませんが、
ガウディ関係者に変な人の割合が高くて・・・(地元の話しですけれど)。
ダリの場合、ダリ美術館の人たちがみんな驚くほどナイスで楽しかった!
個人的には、ミロとロマネスクが特に好きだし、
当地の関係者も気が合いそうな人が不思議と多いので、
いつかミロを切り口にしたカタルーニャ特集をやってみたいです。
(または、そういう本を編集したい)
とりあえず、
決して人の悪口をいわず、美術関係だけでなく、
周囲にいたどんなタイプの人たちからも慕われたミロさんを見習って、
簡単に人の悪口をいわないように心がけたいと思います。
もし、万一言う時は面白くいわないと・・・?!
悪口は結果的に自分に戻ってきたり、
その人の性格が出てしまうので要注意ですね。
8月の末の日曜日。
久々に自分たちだけのためにミロ美術館へ。
屋外彫刻の向こうには、バルセロナの街並がひろがり、
その奥には、ティビダボの丘が。
今住んでいる家(集合住宅)は、その丘のふもとなので、
手を延ばせば届きそうなほど、近くに見えました。
ミロ美術館では、「De Miro a Barcelona」つまり、
ミロがバルセロナに残したもの・・・という展覧会が開催中で、
それだけが目的といったら、入場料はタダでした。
ミロは、空港の壁画だったり、ランブラス通りのタイルのペーブメント、
彫刻など、大きな作品をたくさんバルセロナに残しています。
ミロ美術館そのものも、今では街の人たちにとって重要なカルチャーセンター。
(彼の作品だけでなく、海外の有名現代美術家、あと若手の育成にも
大きく貢献しているかもしれません)
同展では、晩年はマヨルカ島にいることが多かったミロと
ボストンにいた建築家のセルトが、ミロ美術館をつくるまでに交わした手紙の他、
ランブラスのお役所の人たち、バルセロナ市長たちと交わした公式文書など
多数のドキュメント、写真、ミロ本人が出て来るインタビュー動画があり、
見所満載でした。地味だけれど、いい展示です。
ちなみに、フランコ時代でも、彼らは皆カタラン語で手紙を書いていました。
反骨のスピリットがすごいです。
市長からの空港の壁画の除幕式に、スペインの運輸大臣も列席の予定なのですが、
いかでしょう?という招待状の返事に対してミロは、
(本心はフランコ政権の大臣が参加するセレモニーには行きたくないとはかかず)
「マヨルカから行くと疲れたり、今、他の作品制作で忙しいから
今回は辞退させていただきます・・」と、
カタランとスペイン語のバイリンガルで返事をしたためていました。
その展覧会のあった部屋を出てすぐ、常設展示のある部屋の片隅では、
「ミロの星座」という、バルセロナのポンペウファブラ大学の映像学科の学生達と、
ミロ財団が制作した、彼にまつわる各界の人たちへのインタビューをまとめた
ドキュメンタリー映像がが流れていました。
自然科学者、宇宙学者、歴史家、若いアーティスト、ミロと実際に恊働したことがある陶芸家、
フェラン・アドリア(有名シェフ)、パスカル・マラガイという元バルセロナ市長で、
その後、カタルーニャ州大統領にもなった政治家(ジョアン・マラガイというガウディの時代の
有名作家&詩人の孫)などが登場していました。
あ、ミュージシャンに世界的に有名なピエロ、マジシャン、タラゴナの農家の人もいたかな。
特に、パスカル・マラガイさんの
「ミロはあまり信仰に厚くはなかったけれど、そのかわりに豊かな想像力をもっていた。
そして、彼はバルセロナ、あるいはカタルーニャそのものである」
というコメントが、とても印象的でした。
年配のピエロの男性が、
「ミロ美術館で、ミロの90才の誕生日をやったとき、
僕は馬にのって駆けつけ、色々なパフォーマンスをしたんだ。
ミロとの全部の思い出が、頭のなかの宝箱に入っていてとても大切な思い出ばかり。
そして、今も僕はミロと友達なんだよ!」
と話している姿に、思わずウルっときてしまいました。
どの人も、皆、ミロへの気持ちが熱かった!
さっすが地元なドキュメンタリーでした。
ひとりひとり、面白い場所で撮影していたし、
貴重な映像も満載であきない構成。
ミロのセラミックの彫刻も好きですが、メタル系もいいですね。
カラフルなのだけでなく、黒っぽいモノトーンのも。
簡単そうにみえて、絵画も立体もきちんと魂がこもっています。
★
ミロ美術館を後にして、久々にモンジュイクの丘のてっぺんにある
中世のお城にいきました。
中世には要塞だったり、18世紀にはブルボン軍、その後、1939年頃には
フランコがこの丘から市内に大砲を打ちまくったり、
色々悲しい歴史のある場所ですが、今は海と市街の眺めがよく、
観光客であふれていました。
車じゃなくても、ミロ美術館のそばからローブウエイで
モンジュイクの丘の頂上までつながっています。
このローブウェイはわりと新しくて、眺めがいいみたいです。
(古い20世紀初頭の海側のしかのったことがないです)
丘の中腹には、フランス人かな?という雰囲気の
黒人の若者達と、おしゃれなマダムが働く、
海の家風売店があり、しぶいブルースが流れていました♪
緑が多くて閑散としているので、
たま〜にひったくりや偽警官が出たり、慣れてないとあぶないんでは?
という印象が強いモンジュイクですが、なかなかいいところです。
観光客の皆様も、バルセロナに滞在されるとき、
ガウディづくしで疲れたら、ぜひ、ミロ美術館へどうぞ!!
圧倒的に、私のまわりの地元の人たちは、ミロが好きなので。
色々、ガウディ、ジュジョール、ロマネスク、ピカソ、ダリ、など
日本の媒体向けに特集の仕事をしてきましたが、なんでだかわかりませんが、
ガウディ関係者に変な人の割合が高くて・・・(地元の話しですけれど)。
ダリの場合、ダリ美術館の人たちがみんな驚くほどナイスで楽しかった!
個人的には、ミロとロマネスクが特に好きだし、
当地の関係者も気が合いそうな人が不思議と多いので、
いつかミロを切り口にしたカタルーニャ特集をやってみたいです。
(または、そういう本を編集したい)
とりあえず、
決して人の悪口をいわず、美術関係だけでなく、
周囲にいたどんなタイプの人たちからも慕われたミロさんを見習って、
簡単に人の悪口をいわないように心がけたいと思います。
もし、万一言う時は面白くいわないと・・・?!
悪口は結果的に自分に戻ってきたり、
その人の性格が出てしまうので要注意ですね。
by nas-asa
| 2014-09-20 01:43
| カタルーニヤ