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カダケス「卵の家」続き


ダリのアトリエ詳細
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卵の家の中は、通常予約制で8人ごとのグループで入ります。
初めて入ると、いきなりシロクマの剥製(イギリス人の友人から贈られたもの)や白鳥の剥製、大蛇をモチーフにしたプールサイドの飾りなどのインパクトが強くて、なんだか「普通じゃない」という印象を持つ人や、「やっぱり、クレージだわ!」とおっしゃる人も少なくないのですが、でも、あの几帳面なディスプレー、バーベキューや浴室、クローゼットの機能を考えると、ダリとガラは実はとてもマメで繊細な人たちだったことがわかります。




この卵の家は、ずっと廃墟のようになっていたのを、関係者の熱意で、昔のように復元され、ほんとにダリがいた当時とそっくりになっているようです。家の中からの、借景のようなポルト・リガットの入り江の風景もステキですが、ダリの絵の具や、ちょっとした雑貨などにも、魂が宿っている気がします。


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いろいろ、ユニークで好きなものがたくさんあるのだけど、このタンポポを結晶させたオブジェ(ペーバーウエイト?)は、とても欲しいかも。剥製やドライフラワーは、死んだもの、枯れたものでなく、「いつも生きている。不死のイメージ」だったそうですが、ダリは、すごく儚いもの、繊細なものへの目も鋭かった人だと思います。
この家で日本のプレスのために、ダリとガラの思い出についてお話いただいたアントニ・ピチョットさんという画家も、とても面白い方でした。カダケスにアトリエがあるみたいで、いつか行ってみたいです。
彼は、ダリ美術館の名誉ディレクターで、彼のおじさんがダリの才能を見いだした人として有名です。とはいえ、まじめな顔して強烈な冗談を言う、典型的なカタルニヤ人だったのが、個人的には可笑しかったです。
ケンブリッジにある、Kettle's Yardという芸術家たちのサロンを復元した美術館や、インドのネルーやインディラ・ガンジーの家、上海の魯迅の家、ロンドンのディケンズの家など好きですが、昔の特別な人たちの暮らし方を見るのは、とても面白いですね。
お宅が美術館になって公開されるのは、身内の方にとってはちょっと複雑だと思いますが。
by nas-asa | 2006-04-13 18:02 | カタルーニヤ

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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