Camp Nou Renovation 1


かなり残念!
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FCバルセロナのカンプノウ・スタジアムを大々的に修復する建築家が決まりました。

カンプノウは新しいスタジアムという意味ですが、この9/24に50周年を迎え、
数年前から老朽化が問題に。
そのため、世界中の主な建築アトリエ80あまりによる修復案コンペが進んでいて、
最終審査に残った10組は、外国の建築事務所5組
(ヘルツォーグ&ド ムーロン/スイス、クラウス・エン・カーン/オランダ、MP/独、
ノーマン・フォスター/英、日本からはSANNA)
と、スペインからは地元カタルーニャとスペインからあわせて5組
(カルロス・フェレテール、ドミンゴ&フェレ、ラペーニャ&トレス、
CRV-アンダルシアの事務所など)でした。
バルサ(FCクラブ)の理事会、市役所の都市計画課、COAC(カタルーニャ建築家協会)
の代表からなる委員会によっての9/18の最終投票の結果は???



ノーマン・フォスターでした。(......ため息。)
私たちは、上の候補に入っているラペーニャ&トレスのエリアス・トレスさんとは
面識があり、昨日も携帯にGood Luck!というカタラン語のメッセージを
送ったところ、「僕らじゃないことは確かだと思う。近々ご飯でも....」と返事が。
トレスさんは食や音楽のセンスもいいので一緒にご飯を食べて本当に楽しい人です。
(もちろんマニアックで、いろんなことに厳しく動きはせわしない。
日本人が思うスペイン人のイメージとちがって、カタルーニャの人たちは
何故かかなりせっかちで、せわしない人が多い。
メリハリがきいてるというのか。)

結局、昨日の投票では、
ハイテクかつ未来的なデザインのフォスターと、地元のカルロス・フェレテールの
一騎打ちな戦いだったようですが、
個人的にはトレスさんたちがダメでも、N.フォスターだけは避けてもらいたかったかも。

フォスター事務所は、最近ロンドンのフットボールの聖地と呼ばれる
ウエンブリー・スタジアムも手がけていますが、
「とにかくバルセロナらしいものにして、ウエンブリーと似たものにはならない。
共通点があるとしたら、モダンで機能的、そして快適であること。」
といういことをアピールしていたようです。

フォスターの案は、座席数を何万人か増やすというものより、特にVIP席を快適に広くし、
10万4000人分の観客席に覆いをかけて、雨が降ってもだいいじょうぶなようにする
そうで、費用は一番かかるようです。(ロンドンと違い、雨あんまり振らないのに.....)
あとバルサ関係者にとってのフォスター案の最大の魅力は、
2009年から実際に着工したあと、シーズン中も別のスタジアムを借りずに
同時進行で工事しつつ試合は続けられる、とアピールした
唯一の案だったことだとか。

私たちの周りでは、バルセロナは建築家の街で優秀な人材が有り余っているので
できれば地元の建築家がいい。でも、それを別としても、投資の問題や
世界的な知名度の点で外国の建築事務所を起用するとしたら、
ヘルツォーグが面白いのでは...という意見が多かったです。
バルサの創立にはスイス人も関わってるし...というのはへりくつかもしれないですが。

フォスターは、色々とゴシップでもスペインと縁がある人で、
10年程前、スペインではセックスカウンセラーとして有名だった
(そういうテレビ番組を持っていただけで、本業はケンブリッジでも教鞭も
とっていたきれいな心理学者)女性と結婚し、子供をもうけたと思ったら、
次に自分のプロジェクトの訴訟問題で、裁判所に通うようになって知り合った
バルセロナの女性判事とつきあいはじめ、そのカウンセラーを捨てて、
また再婚という私生活も忙しい方です。ちなみに70代。

というわけで、フォスター事務所では世界中の無数のプロジェクトを手がけているので、
フォスター卿自らがタッチするプロジェクトは現在では少ないらしく、カンプノウの場合は
特別に大事なプロジェクトとして、「自らが力を注ぐ...」というコメントが発表されてます。

でも、それって何様??(フォスター様よ!...といい返されるだろうけど。笑)

最終案10組の模型などが来週から、COACのギャラリーで展示されるようなので、
見に行ってこようと思います。ハイテクなフォスター案はなんだか
80年代、90年代の未来という気がするんですが、どうでしょうか。

ちなみに、バルセロナ全体のバス停(バスストップ)も
トレスさんたちのデザインとフォスターのものが競い合ってます。
うちの目の前のはフォスター系。
大御所建築家の小技としては、とてもシンプルかつ機能的で悪くはないけれど、
どこかもっと近代的なガラスのビルがならぶオフィス街にあったほうが似合うような。
トレスさんのほうがユーモアとバルセロナらしさがあって
この街にピッタリしていると思う人も少なくありません。

もちろん、スタジアムで大事なことは試合がつつがなく開催されることと、
選手がいいプレーをできることでしょうけれど、バルサの首脳陣が
「単なるサッカーチームじゃない地域に貢献するクラブ」といってるわりには、
どうなのかなという結論でした。

とはいえ、これから実際にフォスター事務所が予算などを出して、
もっと細かい調整に入り、カンプノウ周辺の地域住民委員会の承認を
得るなどのプロセスを経るまで、工事は着工しないので、
それに1年ぐらいかかるそうで、これからも色々ドラマがありそうです。

以下、9/11(カタルーニャ記念日)に、18世紀カタルーニャの
独立運動のシンボルとなった政治運動家(弁護士)カサノバスの像に、
政党や地元の大手団体が献花したときの写真。
お花でカラフルな文字やロゴがつくってなんだか誕生ケーキみたいです。
バルサのもいい場所に置いてありました。
黄色と赤の縞模様がカタルーニャのシンボル。


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また、バルセロナ空港では、まだマドリードにお伺いをたてずに
独自にエアラインや航路を決定できない...というのが、
ここの人たちの大きな不満なので(今その法案が通るかどうか瀬戸際。)
中には、もっと国際便を増やせ!というメッセージのお花もありました。
飛行機がついたデザインのもの。
個人的にも日本からの直行便がないなんておかしいので、
なんとかしてもらいたいです。


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カーネションなど日持ちがするお花が大半。

おまけは、バルサが昨年優勝したときに、市内の家電ショップでみかけた冷蔵庫。
一家に一人か親戚に一人はバルサのソシオ(会員)がいるバルセロナの人々でも、
これを買った人は少ないような。(笑)

フットボール・シーズンも始まり、スポーツの秋開幕です。

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by nas-asa | 2007-09-19 19:33 | 建築・デザイン | Trackback | Comments(0)

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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