Arquitectura, Tecnologia i Natura
2007年 11月 21日
夜のサグラダファミリア聖堂
11/5(月)夜。
ガウディの未完の教会として有名な、
サグラダファミリアの聖堂で、
記念すべき初イベントがありました。
「建築、テクノロジーと自然」
というタイトルのレクチャーで、
講演者は日本の建築家、伊東豊雄さんと構造エンジニアの
佐々木睦朗さん
(お誘いくださった伊東事務所の三好さん、
どうもありがとうございました!)
普段は入れない夜のサグラダファミリアに大勢の人たちが
集まっていました。
司会は、元カタルニーヤ州議会の議長を勤めていた大物政治家、
ジョアン・リゴル氏。
かつてはジョルディ・プジョールについで権力を持っていた
人らしいです。今はサグラダファミリア教会財団の理事。
年齢は重ねても大物政治家らしく、とても歯切れのよい話術。
それにひきかえ、
伊東さんを紹介するために壇上にあがった
地元建築家の手元の、
覚え書きの紙が小刻みに震えていたのが
印象的でした。大物の方がいっぱいだし、
歴史的瞬間で緊張しますよね。
上は、東南アジア(タイ?)の川の付近で、自然と一体になって生活する人たちの
画像をバックにレクチャーをスタートさせる伊東さん。
この前に、まず佐々木さんが最初に講演されたのですが、
座ったままだったせいか、エコーが変にかかってききづらく、
ふと、この聖堂は音響効果が悪いんでは?
と心配になってしまいました。が、伊東さんの場合は、立ち位置も良かったのか、
ものすごくハッキリ。同時通訳のイヤホンをつけた聴衆もひきこまれていました。
これは、東京のオペラシティから仙台、葉山に巡回した、
「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展の写真ですね。
グリッドを基本にした四角四面の建築じゃなく、
もっと楽しい建築はできないだろうか?
床面が変わっただけで、人々の表情が急に生き生きとするというお話。
30年以上前、バルセロナに新婚旅行でみえて、
サグラダファミリアやグエル公園を
訪問されたという伊東さん。
そんな観光客として訪れたランドマークの
サグラダファミリアで講演できるなんて
夢のようだとか。
レクチャー百戦錬磨な?伊東さんですが、
この日は特に熱がこもっているように見えました。
いまだに工事が続く、サグラダファミリア。
伊東さんは、
「この教会建設のために命をかけて仕事している
人たちに現場を案内していただいてすごく感動し、
自分もますますがんばっていきたいと思う!」
との言葉で、講演を締めくくられていました。
座っていたところから見上げた天井の眺め。く、くびが痛い!
なんだか森の中にいるような、サグラダファミリア聖堂の内部。
天井が高くて、かなり冷たい風も吹いていて、
講演者の方々も大変だったと思います。
本当に伊東さんがおっしゃるように、
「建物の中にいるような気がしない」建物です。
今、新幹線が市内の地下を通る工事の直前で、
一番効率的なルートだと、この教会の真下を通るようで、
サグラダファミリア関係者は当然、反対運動中。
このレクチャーの翌日、地元の新聞には、
構造家の佐々木さん、伊東さんお二人の
「この真下は通さないほうがいい!」
というコメントと、この講演会についての記事が掲載されていました。
地下鉄はすでに通っているものの、新幹線はどうなんでしょうか?
やっぱり地盤はゆるむでしょうね。
そのあと数日して、今度はジャン・ヌーベルの
「別に問題ないと思うよ...」
というコメントを含む、対抗勢力の記事も出たり。
これからも論争が続きそうです。
彫刻家の外尾さんもお元気そうで、共通の知人の噂話をして
おわかれしました。
そのあとビビビと一緒に、彼女の古い友人の「あの方」に
会いに、サグラダからタクシーでカテドラルに向かいました。
(つづく.....★ って、もったいつけてすみません。
この日はなかなか充実した一夜でした)
by nas-asa
| 2007-11-21 19:57
| 建築・デザイン