Michelin Guide Tokyo


食べ物話のつづき

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古い話で恐縮ですが、料理王国という雑誌が「ミシュラン東京版」発行に向けて
世界の3星レストラン特集をした際に、スペイン3星店の取材をしました。



といっても、店内やスペシャリテ(特徴的な料理)、
シェフの写真とサイン!を送ってもらって、
ミシュランとは何か? 3星をとって変わったこと、
またとるために特に努力したことなどを質問しただけですが。
でも、店やシェフによってのプレスに対する対応の違いなども興味深いです。
3星店といっても、千差万別ですね。

この料理王国12月号の特集は、世界中の3星シェフが集合して、
皆さん、もちろん非常に個性的なので(戦略も色々)
よくも悪くも濃い〜ページになっています。

スペインでは、ミシュランの発音は、そのまんま「ミチェリン! 笑」
日本人やアメリカ人より、そのランク付け評価を気にする人は少ない
ような気がします。(料理業界の人じゃなくて、
顧客としてレストランを選ぶ場合)

でも同東京版で、こちらの女性シェフ、カルマ・ルスカリェーダの
「サンパウ」が2星をとったことは、とても話題になり、
テレビや新聞でも繰り返し報道されていました。

当地の別の3星シェフ、サンティ・サンタマリアは、
自分の全国紙の日曜版のコラムで、この東京版ミシュラン・ガイドを
「ワサビ・ミシュラン」と命名。
そりゃ、まあ鮨店も少なからず入っているんですけれど、
おいおい、ってかんじ。

とはいえ、彼も東京には無数の美味しい店があるのは
認識しているようで、その上で、
日本語ができない外国人にとっては(しかもアジアが初めての)
現地の知り合いかアテンドする人でもいない限り、
ここぞという店に到達するのは不可能にちかいので、
こういう欧州人にとってもわかりやすいガイドがあるのは
ありがたいとのこと。

そういえば、時々、読んでは自虐的な気分になる(ないものねだりで)
榊真一郎さんのHP
でも、榊さんがミシュランは「必要悪」のようなものと
書いていらっしゃったような。妙に納得。

ミシェランの評価が絶対ではまったくないし、
今、日本でも「マイ・ミシュラン」という言葉も流行ってるみたいで、
1つの現象として興味深いです。
個人的には、うなぎの竹葉亭や、精進料理の醍醐などが
入ってるのはおもしろいかも、と思いました。

それに、これまでこちらの知り合いにいくら
「日本は美味しい。東京は食事にいくためだけに旅行する価値があるよ!」
と口を酸っぱくしていっても、きいた人たちは、私は日本人だから、
お国自慢だろうというかんじで、話半分、半信半疑で
「あ、そう!?」といっていたのが、今回の報道で、
もしかして、東京って本当に食べにいく価値があるのかも
と思った人が増えたのは、とっても嬉しいです。

日本の外食産業は、サービスも迅速で感じがいいし、
(もちろん店によるとはいえ)日本の居酒屋チェーンさんなどが
本気で欧州に進出したら、とてもヒットすると思うんですが。

特に食材が似ているスペインなど、絶対成功しそうです。
今、和食やアジア料理ブームで、常軌を逸する程まずくてあやしい、
場合によっては具合が悪くなりそうなフュージョンの店が、高〜い値段で
営業していて、それでも話題になり人がたくさん入ったりしているので。

中国人がニセの和食チェーンを展開するというのも、さすがに
こちらの人たちも最近ちょっとは知ってるので、対抗策として本当の日本食に
みせるために、わざと日本語訳をつけている「中国人の」店も増えてきました。
その中には、サイコロステーキの箇所の日本語が
「牛が切った肉 .....(爆)」になっている店をこないだ発見!
翻訳ソフトにかけたんでしょうか? 

ほとんどのスペイン人は、日本語がわからないから、
単純に日本語っぽいものが並んでればOKにしても、
これには笑いました。
牛がエプロンして、肉を細かく切ってるのか、
それとも自分で自分を切り刻んでるのか?
などと変な想像が膨らむような。



しかし、上記の榊さんのHPおもしろくておすすめです。
これぞ、まさしく外食産業プロのページ。
適当に雑貨や、おもしろい家電情報もあって刺激になります。



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上は、昨年ヒットした、ディズニーのアニメ映画「ラタトゥーユ」
(日本ではレミーのおいしいレストラン)
料理の映像やパリの風景など、ほんとうにリアルでびっくり。
でも、個人的には(多少擬人化されてるとはいえ)
主役のシェフをネズミにしなくてもよかったような気がします。
ラタトゥーユとラトン(ネズミの英語)をかけてるにしても、
欧州は昔からネズミとペストとの戦いの歴史が長く、
ロンドンの家でも、ネズミ対策(庭にたくさん)で、市役所の
「ペスト・コントロール」のお世話に何度もなったので。


下は、ミシュランつながり?!
クリマス恒例の、カガネーというカタルーニャで伝統的なウ*コする人たちの
人形。昨年は、予想通り、バルサに新しく入ったフランス人のアンリ選手、
同じくフランス人のサルコジ大統領にならんで、ミシュランタイヤ男バージョンが
並んでいました。けっこうおふらんす?
ミシュランのカガネの右側が、メッシ。アンリはなさけなさそうな顔をしてますが、
メッシの顔はちょっと気張っていて笑えます。

有名人バージョンは、サイズがやや大きめで購入するのをためらいますが、
コレクターもたくさんいると思います。
ま、大きいといっても手のひらにのるぐらいで、値段は2000円ほど。


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食べ物をあつかったドキュメンタリーでは、数年前にNHK特集
「人間は何を食べてきたか?」の何年分かをまとめたDVDを、
ロンドン在住のデザイナー、安積さんからお借りして、
ほんとうに驚愕、目からウロコの連続でしたが、このノンフィクション、
「もの食う人々」もおすすめです。

もう発行されて10年ぐらいですが、
今読んでも、食を通して世界のことがわかる本だと思います。

食にまつわる世界中を取材された1つ1つのエピソードのすべてが
驚きなだけでなく、ユーゴの戦争のころや、ウガンダなど、
当時世界で何が起こっているかを掴むために、
(著者はぶらっと旅に出たように書いていらっしゃいますが)
やっぱり、「今、地球上のどこに行くべきか?」を
選択する勘や、リサーチの的確さは、
国際的なジャーナリストならではのものだなあと脱帽。

英語に訳したら、世界的に評価される本だと思いました。
翻訳されてるのでしょうか?


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ハイキュージーヌ(ハイレベルな料理)と、新しいものを創っていく
シェフたちの世界も大好きですが、同時にたまには飢餓について考えることも
必要ですね。飽食そのものの今の日本だって、アニメ「ホタルの墓」の世界は
そんなに昔のことではないので。

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by nas-asa | 2008-01-27 21:27 | 執筆記事/コーディネート | Trackback | Comments(0)

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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