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Se llama Kevin


オウムをめぐる人々

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2月3日(日)午後7時。
バルサ対オサスナの試合を見るためにいった、
例のオウムのいるBarの様子。

このグレーのオウムが7才のKevin。
ケビン・コスナーでも、ケビン・ベーコンでもなく、
オートバイのライダーにちなんでいるとか。
全体にグレーで、しっぽのあたりが赤くなっています。



他のBarでも、バルサの中継をやってるんですが、
この店は一風変わっているせいか、お客さんも少なめ。
座ってゆっくり試合が見れるので、また行ってしまいました。

で、このケビンはお店のスタッフに愛されているのかと思い、
「やっぱり、オウムがいるっておもしろいですか?」
とちょっと顔なじみになったカマレロ(ウエイター)のおじさんに
きいてみると、

「やだね、手間がかかって。だいたい室内に動物って
あんまり好きじゃないし、動物を飼うなら、やっぱり馬でしょ」
と、意外な返事。

馬がいいのは動く姿が美しいだけじゃなく、
「自立してるから」だそうです。

牧場に放し飼いにしても、勝手にやっててくれるからでしょうか。


違和感を覚えつつ、気を取り直して、
「普通、オウムって緑色が多いですよね?」
ときくと、
「緑色のは、もっと性格が悪いらしいよ」
とのこと。

なんだか店のオーナー以外は、このオウムが好きじゃないらしくて
少しかわいそうになってきました。

そこへ、常連客の60代ぐらいのおじさんが登場。
子犬にたいするように、鳥籠に両手をいれてオウムを
なぜまわしました。

その後、噂のオーナーが入って来て、オウムに話しかけつつ挨拶。
しばらくして、バルサの試合が始まり、オウムが甲高く鳴くと、
「Toma y calla(黙って食べろ)」
といって、ポテトチップスを差し出すと、
オウムが思い切りそのおじさんの指を直撃。

激しく噛みついたようです。

オーナーのおじさん、大声で「バカヤロ!」と怒鳴って、
鳥籠を叩きます。でも、そのまま試合観戦。

しばらくすると、指に包帯をまいてました。

別の常連のおじさんは、もっとKevinと仲良しで、
指をパチっとならしながら愛嬌をふりまき、
時々スナックを与えます。彼が与えるとオウムもしっかり
手(前足?)にもって、おとなしく食べています。


そのおじさんはとってもKevinが好きみたいで、
試合中継とオウムと半々づつ見ているかんじ。
でも、試合の行方も気になるらしく、
メッシが交替させられたとき、Naspleが

「なんで、メッシをひっこめるんだ?!」

と発言すると、いきなりふりむき、

「今日はメッシ不調だからね」

私は心の中で「えっおじさん、見てたの?」と思いました(笑)

こうなると、試合よりおじさんの動向が気になりはじめました。



一方、指をけがさせられたオーナーは、
ハーフタイムに携帯を鳥籠の中に差し込み、
「コノヤロ、コノヤロ」とオウムをぶっていました。
それでも、基本的にかわいいみたいなので、
複雑な愛憎関係。


なんか、こんな様子ってどこかで見たことがある風景だなと思ったら、
よく昔の映画などで、海賊船でオウムを飼っているシーンがありますよね。
そんなかんじでした。
長旅のお供でしょうか。

そうそう、「このオウム、何か話すの?」ときいたところ、

「誰もいないところで、救急車やパトカーのまねをしてる」
のだそうです。(誰か人がいるとなんにもしない)

変わってますね〜。

ちなみに、オウムは亀と同じぐらい長生きなんだとか。
っていうことは、寿命は人間以上?


と、変な空間でみたわりに、最終的にシャビがゴールして
バルサ勝利!
リーガの首位争いでレアル(マドリード)に
あと3ポイントまで迫ったので、みんないい気分で家路に。

毎日いったら気がめいる(かもしれない)Barですが、
ビールも安いし、たまにはKevinを見に行くのもいいかも。
少なくとも、イギリスにありがちな、昔飼ってた猫やペットの
「剥製」を飾ってる店よりは健全なような。


やっぱり、オシャレな空間の店にはオシャレな人が多いように、
不思議な空間には、不思議な人がたくさん集まるようでした。


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Gracias★ (とりあえずの目標は、欧州事情100位以内! 笑)
よろしく!
by nas-asa | 2008-02-08 02:55 | 生活

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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