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Euro 2008


44年ぶり


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上の画像は、優勝メダルを授与されるカシーリャスと
赤いスーツにスペイン国旗のピンをつけた
王妃(レイナ)ソフィア。ちなみにギリシャ出身です。


決勝戦は、スペインは国王夫妻と、長女で王女のエレーナ
(国旗の色の大きなイヤリングに赤いスーツ)、
サパテロ首相や官僚、ドイツも首相や官僚が多数列席。
でもVIPの人たちも、それぞれ単なるサポーターになってました(笑)
王様はイタリア戦のとき、心配して長い間、両手がぐー(じゃんけんの)
になったまま(笑)
王室については、色々意見がわかれるものの
彼らは欧州でも最も国民から親しまれる王室だといわれています。
ヨットやスポーツをオリンピックレベルまでやってるので、
スポーツウエア(含むジャージ)が一番似合うことは確か。






6月30日の欧州の多数の新聞HPの特集記事(動画や音声など
それぞれすごく工夫しています)のなかでも、
写真がきれいで、よくまとまっていたのが、


英国guardian紙
のこのシリーズ。

さすが、いい仕事してます。


スペインで、ユーロカップを独占中継していたのが、
Cuatro(4)という新しいエンタメが中心の局で、
関連スポットもお金がかかっていました。

GKのカシーリャスと、決勝でゴールを決めた現在プレミアリーグで
活躍するフェルナンド・トレス(スペインでの通称はニーニョ。
坊やというような意味)を起用した、ガンダムを思わせるCMも、
人間からロボットになって怪獣と戦った彼らが、優勝後は宇宙から
人間になって戻るフィナーレまで用意されてました。



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↑人間に戻ったところ。

トレスは、日本でいうところのジャニーズ系?
でも、たしかにこの二人はアニメの主人公っぽいかも。


関連動画がこれ↓

You tube



リンクがうまくいかないときは、下の単語をいれて検索
してみてください。

Cuatro Spot Casillas y Torres Euro 08 Podemos
Nuevas Cortinillas Cuatro: Podemos - Fernando Torres Robot 1




アラゴネス監督は、ついこないだまで大勢の人たちから
「いつ引退するの? (早く辞めてほしい)」
という風にいわれてましたが、
これでみんなに惜しまれつつ代表監督から引退されるかも。
(選手はみんな、もっと続けてほしいと言ってるようです)

フランスをワールドカップ優勝に導いたドメネク監督も引退。
おつかれさまでした。

上記の独占中継していたCuatroでは、解説者のひとりが
日韓ワールドカップのときの、スペイン代表監督の
カマッチョ氏。この人は、憎めないんだけれど、
話し方が遅く、緊迫した試合展開の最中もだらだら
しかも、それってあたりまえじゃない?!ということを
ゆっくり話すため、聴いていてイライラした人多数。

でも、決勝では何度も

「Pase lo que pase hay que disfrutar este momento...」
(勝っても負けても、この瞬間をエンジョイしないとね!)

と悠々とコメントしていて、つい笑ってしまいました。

翌日のお祝い特番に出演したときは、
「だって、絶対勝つってわかってたも〜ん!」
とのこと。

やっぱり、話すのが人一倍遅くても
面白いキャラクター(ルックスはアンパンマン系)です。

他の中継アナウンサーは、ケビン・コスナーをもっと軟弱にしたような
わりとハンサムな男性でしたが、予選リーグのスウェーデン戦では、
相手チームの攻撃のあいだに思わず

「Que miedo! =こわ〜い!」

と叫んでしまったのが可笑しかったです。
あれは中継じゃなく本心の叫びでしたね。
その瞬間、優勝できるなんて私たちは思えませんでした。

スペイン人って(特に男性)わりと小心者な人多いです(笑)
サパテロ首相が「決勝を見にウィーンに行くよ」と
表明したときも、「王様が観戦すると幸運をよんだことが
多かったけれど、サパテロはダメ。お願い行かないで!」
と真剣にいってた人多数。わりと迷信に弱いですね。
結局、サパテロ氏がいってもだいじょうぶでした。


そういえば、
決勝戦はウィーンで行われたので、
試合後、選手団はウィーンからスペインに戻るのが一番スムーズなのに、
「3週間以上滞在してお世話になったインスブルックの
ホテルのスタッフや街の人々に挨拶したい!」
と、彼らはまた飛行機でチロルに戻りました。

チャーター機で帰国するときには、
オーストリア人のバスのドライバーも泣いてたり、
「ウルルン滞在記」状態になってました。
ホテルのスタッフもみんな泣いてたそうです。

つい、翌日の夕方、凱旋特番まで見てしまった私たち。
Nasple曰く、優勝が44年ぶりな上、(決勝で負けてからもすでに
四半世紀)ワールドカップよりある意味で
厳しいといわれる Euro Cup優勝は本当に夢のようだそうです。
ずっと「永遠の優勝候補」だったから。


下はマドリードに到着した瞬間のテレビ画像。

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コックピットから、国旗をふる選手。



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最初に出てくるのは誰か?と思ったら、やっぱり主将と監督でした。

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そのあと、マドリード都心までパレードするバスを追う
ヘリコプターの映像がおもしろかったです。
あんまりマドリードを上から見たことがないので、
あのへんの集合住宅の庭や屋上にはプールがあるとか、
緑が多くてきれいな街なことを再確認。


スペインは、違う国がいくつかまとまってできてるというぐらい
各地方によって言語も背景も異なり、特にカタルーニャやバスクの人たちは
スペイン人と呼ばれたくない!という人もかなり多いです。

でも、今回の代表には、シャピ、プヨル、セスクなどのカタラン人は
もちろん、バルサのイニェスタなど、バルセロナゆかりの選手も多く、
ほんとに若い選手ばかりで、Buen rollo(いい雰囲気)
だったのが、勝因の一つかも。厳しい世界のプロばかりなのに、
見ていて清々しかったです。

バルサの選手やサッカー選手は、和食が好きな人が多く、
プヨルによると.
この代表チームは、「別名SUSHIチーム」とか。
自由時間ができるたびに、
連れ立って和食レストランにいってたそうです。

過剰なナショナリズムは危険だし、スペイン代表優勝なんて
自分には関係ないという偏狭な人たちもいますが、
カマッチョじゃないけれど、スポーツ観戦でも
楽しめるときは、積極的に楽しむことが大事かも。

実際、スペイン以外の国のチームも、ファインプレーの連続で
毎日面白かったです。戦い方に国柄がどうしても現れるだけでなく、
普段の本音(相手国に対する)も、前哨戦でマスコミを賑わしたり。


ちなみに、Cuatroの特別番組のメインキャスターは、カタラン人の
アンジェルス・バルセロという女性。
長いことカタルーニャ語ニュースのキャスターだったので、
バルセロナでは、みんなが知っている人です。

彼女もEl Pais紙のインタビューで、
「政治的なことより、歴史的瞬間にちょっとでも
参加できたのはもちろん、
このひと月、スタッフ、関係者、応援する人たちと
とっても楽しく過ごせたことが何より。」
と、答えていました。

国別対抗が好きじゃない人でも、
思わず自分の応援するクラブチーム以外の選手に、
それぞれ気に入った人が増えるのもいいことかも。

私は、カシーリャス、トレス、セスクはもちろん、
トルコのニハド、カナリア諸島出身のシルバなどが気にいりました。
ダビッド・シルバ、うまいけれどおもしろいです。
欧州中のチームがすでにオファーしてるらしいですが、
できればバルサにきてほしい〜(笑)!

イニェスタも漫画チックだけれど、シルバも笑える。
よく見るとなかなかハンサムなのに、どことなくお笑い芸人系な
雰囲気が漂ってます。
でも、ボールが靴に粘着テープでくっついちゃったような
テクニックはすごい!

スペイン各地では、たくさんのファインプレーと、
幸せそうな若い選手たちと代表団関係者の様子を堪能して、
明るい気持ちで7月をむかえた人が多いはず。

ちなみに、決勝戦の瞬間視聴率は8割以上で、スペインのテレビ史上最高を
記録しました。
by nas-asa | 2008-07-01 18:23 | スポーツ

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


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