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Cau del pescador


希少価値かも。

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サンフェリウ・デ・ギショルズで発見したのが、
この路地裏にある魚介料理の老舗。


平日だったので、久々にレストラン探しは
いったことのない場所で美味しい店をみつける王道、
つまり、
地元の(一見趣味があいそうな)人にオススメを聞くという
とっても単純な方法をとりました。

今回は、目抜き通りにジープを駐車中だった
グアルディオーラ似の男性を直撃(笑)
(付近の別荘から買いだしにきてたような雰囲気で、確信を持って
Cauがいいよ!と教えてくれました。)

その人のおかげで、バルセロナでは残念ながら
どんどん希少価値になってきている、
昔ながらの「良心的」な魚介料理専門店に辿り着けました!

やっぱりどこの国でも、おいしい店はちょっと路地裏
のわかりにくいところにありがちですね。



毎月「料理王国」を中心にバルセロナの食情報の
記事を書いていますが、日本の雑誌がワールドレポート的に
海外から求めるのはなんといっても「情報の鮮度」。
ようするに、新規開店だとか、新トレンドだとか。

というわけで、こういう「普通の」老舗は、
何か特別の展開がないかぎり、旅情報は別にすると、
なかなか日本の雑誌には掲載されにくいんですが
(有名シェフの店じゃないし)
実はほんとにオススメな店は、こういうごく昔からの
地元の食通が集まる店だなあと思ったり。


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あとレストランでも、ホテルでも、常連さんたちや
顧客の雰囲気も大きいですね。

ここは、ほんとに魚介好きの人が多そうで、
バルセロナの多くの観光レストランでみかける
コーラやサングリアを飲みつつパエリア・・・
という雰囲気と大違い。
せっかくスペインに来た記念に、
「初めて魚介を食べてみる努力をしました」
という人たちも多く、食べ合わせもビックリ。
それはそれで、微笑ましいんですが、
そういう観光レストランは、魚介料理にうるさい日本人には、
ものたりないことが多いのも事実。

このCau....は、9割がたのお客さんが地元の人たちで、
隣のテーブルでは、30代から40代の男性4人が、
楽しそうに冷えた白ワインを飲んでいました。
(服装はカジュアルだけれど、もしかするとビジネスランチ。)

彼らは、今日は魚介を思いっきり食べるぞ!という意気込みなのか、
まず「ムール貝」のもりあわせを食べると、
「さざえ(こちらでは海のカタツムリという愛称)」をつまみ、
さらに「海老」をみんなでシェアーして食べ、
最後はバエリアよりもっとおじやに近い「アロス・カルドソ」でしめてました。
どれもおいしそう!
でも、さざえ、なんとなく懐かしいぞ。昔、よく江ノ島で食べたような?

彼らの醸し出す雰囲気は、お気に入りのお寿司屋さんの
カウンターにならんだ日本のおじさんたちソックリ。
ほんとに魚介好きの人たちを見ると、やっぱり嬉しくなりますね。


もしかして、知る人ぞ知る老舗かもしれない、
このCau del Pescador(魚介の小屋、生け簀のような意味)。
バルセロナからはちょっと遠いけれど、また行きたいです。


パエリアに食傷気味の私でも、久々に感動の味!
しょっぱくなく量もちょうど良くて、日本人向けです。

近所でとれたもぎたての野菜のサラダと、
隣村でつくられるオリーブオイルも、シンプルだけれど
基本的な「食べる幸せ」に改めて感謝したくなる新鮮さ。



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店内の壁という壁には、たくさんの帆船のミニチュアと地元の海岸の絵が
しつこくない程度に、ほどよく飾られています。
ふと見ると、バルサのシャツを着た船長さん?木彫り人形が。


サービスもリゾート地のカジュアルな雰囲気をくずさない程度に
きちんとしていて、とても居心地がいいです。
(日本のきちんとしたお店を思い出します)



コスタブラバにまたお気に入りの店が増えました。
食べるのに夢中なのと、満席だったので料理の写真がなくて
すみません。

Cau del Pescador
C/ Sant Doménec, 11
17220 Sant Feliu de Guixols
Tel; 972 32 40 52
by nas-asa | 2008-07-21 19:36 |

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


by nas-asa