Porta al cel


天国への扉

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天国の鍵をにぎるSant Pereの像。
背景が宇宙のような星空になってます


10月19日からここ数日、寝不足気味。

日曜日に大好きだったNaspleの叔父 Francesc Balmes
(通称Paco)が亡くなって、月曜日(20日)がお葬式でした。

そのちょうどひと月前に、従姉妹の結婚式で集合した親戚
メンバーとそっくりそのまま再会したり、なんだか英国映画
「フォーウェディングズ・ワン・フューネラル」
を思い出す日々。

でも、そんなちょっと悲しい気分を紛らわせてくれてるのが、
初来日中のホセ・ルイスからの便りというのか、動向そのもの。
東京、北鎌倉、京都をとても楽しんでいるようです。



亡くなった叔父のパコは、
子供のころからずっと耳が不自由で、
リタイヤするまでパン職人をしていましたが、非常に頭が良く
誰にでも優しく愛嬌のある人でした。


大勢の親族が集まる夕食会などにきても
ほんとは、みんなの会話が聴き取れずつまらないはずなのに、
タイミングをみて、自分でつくった詩を朗読してくれたり、
ちょっとした余興をやってみせたり、みんなを
楽しませたり、自分も楽しむ姿勢がすごかったです。

彼の一人娘の従姉妹ルルデスは、
バルセロナ大学を出て高校の社会科の先生。

お葬式のミサでは、
天国に旅立つ父親への彼女からのプレゼントとして、
フルートとオルガン奏者が、シューベルトの
「アベマリア」を演奏しました。

リセオ(オペラ座)の知り合いにたのんだそうで、
それはそれは美しい音色。

それを18世紀の教会の礼拝堂でききながら、
パコにも絶対に聴こえたはずだ!と思ったら、
涙が出てしまいました。

結婚前、カタルーニャの家族や親族の一員になるために
自分から努力しなくては、というところまでは、
こちらに来る前に予想できましたが、
その後、かわいがってくれた現地の親族がどんどん亡くなる、
というのはあんまり考えていなかったので、
やっぱりさびしいです。
近い親族か友人しかいかない墓地の埋葬にも
5回ぐらい参列したような。

と、またしんみりしてしまいました。
実は、あんまり努力してなくても可愛がってくれた人たちに
会えて幸せだったのかも。




ところで、上の写真の天国の扉が目印の教会前広場は、
ホセ・ルイスによると
「バルセロナで一番静かな広場」
だそうで、
15日に、ここで日本にいく直前の彼と3人で
お昼を食べました。

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噴水が修復中で、ちょっと情緒が薄れてましたが、
たしかに彼が好きそうな空間です。

日本での面白い場所情報などを教えたので、
お礼に最近発売されたDVDボックスをいただきました。
買おうと思ってたから、心からラッキー♪


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「シルビアのいる街で」に関連したスライドショー的な写真を集めた
シリーズも良かったし、他の作品もどれも大好きです。


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しっかり、サインしてもらいましたよ★



そういえば、このとき、
今年は世界中旅行しなくてはいけなくて
携帯も全世界で使えるのに買い替えた!
とノキアの端末を見せてくれたんですが、

「それって日本で使えないと思うよ」

というNaspleの一言で、
監督、が〜ん!と固まってしまいました。

さっそくこのカフェからサービスセンターに
電話したところ、やっぱりダメ。
で、急いで携帯をまた買い替えることにしたのですが、
この瞬間から、
彼のリアルな日本体験が始まったような!?

ホセ・ルイス「香港も韓国もペルーもOKだったのに、
どうして、日本では使えないの?」

Nasple「日本には、日本でしか使えない
(海外と互換性のない)テクノロジーや
サービスがたくさんあり、それが日本だから」


ATMもすごい限られたところしか
海外発行のカードでキャッシングできないことも教えたような。
こちらは、どこのATMでも日本のカードでキャッシングできます。


その後、食後のコーヒーを飲んでいると、
彼は年季の入った皮のカバンの中から、
良寛、井原西鶴、松尾芭蕉、その他
いろんな日本文学の本(スペイン語)を出しはじめます。

ホセ・ルイス「どれ持って行こうかな?」
Nasple「そんなに読んでる暇ないでしょ」
ホセ・ルイス「全部一度読んでるからだいじょうぶ。
急に読みたくなったときにどうしようかと思って」
とのこと。

私は、どらえもんか?この人は・・・と思いました。
(バッグからいろんなもの出すから)
パソコンをやらないので、参照するものといえば本なんでしょう。


そして、日本に無事に旅立った彼は、
映画の評判も思ったよりよく、毎日堪能してるんですが、
時々、国際電話や携帯メッセージが入って、
いつのまにか、こちらまで、バーチャルで日本にいる状態に。

ほんとに、面白いエピソード満載です。
(今朝も明け方にメッセージが!)

というわけで、おかげで楽しく毎日すごしてます。

彼の映画は、あの蓮實重彦先生のおかげで、
アカデミックな方々や、シネフィルの人たちに喜んでもらえてるようで、
それはそれで大変嬉しいですが、
個人的には天国の淀川長治さんにも見てもらいたいような。

スペイン語に興味があって、
ラテンアメリカでもスペインでも関係なく
スペイン語のメリハリのある映画が好き(アルモドバルとかね)
という人たちには、「金返せ!」
と、いいたいぐらいダメそうなタイプの作品ですけれど、
それはそれで、いろんなスペイン、いろんなスペイン人、
カタラン人がいる(ある)ということで、
視野を広げ、柔軟な気持ちで接していただきたいですね。

ちなみに、名字はガリンじゃなくてゲリン。

今週は、バルセロナも各界の大物の方が集結していて、
体が2つ欲しいほど、刺激的なイベント目白押し。
CCCBでは、ローリー・アンダーソン、ルー・リード夫妻の
レクチャーがあります。無料なので、すごい人でしょう。

私はこれから仕事でWAF(World Architecture Festival)
にいって、生ノーマン・フォスター卿やいろんな建築家の
レクチャーをきいてきます。

昨日のフォスターさんは、
意外なほど、
アメリカ人批評家チャールズ・ジェンクスに
やり込められていて、
笑ってごまかし、みてるほうはかなり面白かったです。
詳細はまたいつか。
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Commented by Luisin at 2008-10-24 23:03 x
先程も 前のブログにコメントさせて頂きましたが、
これを読んで嬉しい気持ちになり、 
またお邪魔させていただきます。

蓮實重彦さんにビクトル・エリセ監督から、
「シルビアのいる街で」をぜひ観てほしいとメールがあったようですね。
私も、天国の淀川長治さんに感想を聞いてみたいです。

ホセ・ルイス監督も日本を堪能されているようでなによりです。
DVDBOX日本でも発売されることを願ってます。
Commented by nas-asa at 2008-10-25 16:59
★Luisinさん
こんにちわ。コメントありがとうございます。
淀川さんは、エリセ監督の「マルメロの陽光」
のことをすごい映画だとananの連載記事に
書いていらっしゃったので、たぶんホセ・ルイスの
映画も好きなんでは?と思います。

でも、ほんとに映画の世界は奥深いですね。
いい映画をみないと、安っぽい顔つきになっちゃうよ!
という淀川さんらしいコメントが大好きなので、
がんばっていい映画をみたいですね。
今後ともよろしくお願いします。
by nas-asa | 2008-10-24 20:58 | 映画・音楽 | Trackback | Comments(2)

浅倉協子 & Jaume NASPLE:バルセロナと東京で編集、翻訳、取材、執筆中。好きなもの:建築・デザイン、映画、音楽、夜でも青いバルセロナの空、日本の喫茶店、居酒屋。今食べたいもの:バスクのピンチョス。


by nas-asa